たっきゅんのガチンコツール開発部 の感想

久々にテクニカル系本が出たので、ざっくり感想をば。

つい先日発売された MayaPythonツール作成の参考書 たっきゅんのガチンコツール開発部 を買ったので
役に立つかはわかりませんがざっくりと感想をば。

まず、自分のスキルレベルですが
現在TA専業5年目ぐらい、元デザイナー。
Maya専門(DCCツールはMaya以外経験無し)
各種ツール作成・トラブルシュートがメイン業務、守備範囲は広く浅く。
Mayaでの言語は、mel maya.cmds pymelはばっちこい C++とOpenMayaは読めてなんとなく意味が分かる程度
PySideは普通に使う。
こんな感じで、一応実務は一通りこなすぐらいです。

良いところ

MayaPythonを使用した人の大多数が躓く(自分も躓いた)基本的なセッティング手順が説明しているところ。
自分もこれに躓いて長らくmelから移動ができませんでした。

全体のながれ・順序が良い

1 設定方法
2 実践的なツール作成手順解説
3 文法解説+HELPの読み方
という順序になっていて、まずは真似してやってみよう それからいみを理解しよう
という手順になっているので、文法で躓いてツールを作るまで到達できない人むけに
動くモノをまず作ってみよう という構成になっているのが良いです。
文法は重要ですが、最初にそれをやると自分の作りたいモノを作るまえに挫折してしまうので
最初はまず作る!分からなくても作る!というアプローチはオススメです。

また、各章の頭にある
何故必要か 検証 企画書
この辺がきちんと書かれているのが非常に重要で、新しいツールを作る場合に
どのようにアプローチをしていけばいいのかというのの
実践的な手順が実例を踏まえて書かれているので、なにからどうやって良いのか分からない
という人には、とても良い参考になると思います。

HELPの読み方の説明がある

自分の場合、新しいモジュールを覚える場合、まずHELPの読み方・見方を覚えるようにしています。
が…正直pyemlやPySideのHelpははじめはなにをどう見て良いのかさっぱり分からず、これまたしばらくの間
触れることが出来ませんでした。
どうやって調べていけば良いのかっていうのは、以外と参考書には書かれていないことなので
その点に触れているのは良いと思いました。

良くないと思う所

この本で勉強する人のLv(ターゲット)がいまいちよく分からない

説明の順序は良いのですが、お題が明らかに初心者向けではないので
まずやってみようと手をとったデザイナーの8割ぐらいは序盤で挫折するのではないかと思います。
知り合いのTAではない純粋なデザイナーの方曰く「凄いことをやってる感じは分かるけど、正直よく分からない」
という話をしていました。
私も同感で、今の自分なら難しくないし同じモノを作るのはそれほど難しくないですが
この本をTAなりたての5年ぐらいまえに読んだとして、理解出来てなんとか出来るかと言われると自信がないです。

文法解説や、本文の説明を見るに、ターゲットは入門者のように受け取れますが
やや難易度が高い内容に、補足説明少なめで とりあえずおなじようにやってみよう とすると
混乱してしまうので、この方式でお題をつくるのならば、

1 クラスは使わない(オブジェクト指向な方向は使用しない)
2 MayaCmdsのみ(PymelやOpenMayaは使用しない)
3 PySideではなく、デフォルトのUI作成を使用する

ぐらいで、がんばれば1~3ヶ月ぐらいで習得できる内容にする方が良かったのではないかと思います。
(初めての状態でPySideのModel/View言われても????になってしまうし、オブジェクト指向も おぶ・・・じぇくと・・・???になってしまう)
逆に、今ぐらいの内容Lv(ある程度書けるけど、本格的にTAになりたい人向け)にするなら
文法やら基本事項はさらっとやって、モジュールやら応用やらのテクニックをモリモリにすると
これはこれで需要があって良いのかなぁと思います。
今の内容だと、わりとどっちつかずなところがあるので 初心者にはものすごく遠く、経験者には物足りない という感じに
なっているかなぁと思います。

文法説明不足

本の内容的に仕方が無いですが、Pythonの細かい文法については手薄(不足)な感じがします。
ので、別途Pythonの入門書をセットで活用すると良いのではないかとおもいます。
自分は、Python導入時期は みんなのPython、ある程度おぼえてからはエキスパートPythonを愛読書にしています。

この手の参考書が出たときは、毎度言ってる気がしますが
文法解説とかそういうもの以上に、Mayaがどういう理屈で動いているのか、どういうデータの持ち方をしているのか
そういった知識が土台にないと、スクリプト周りはとくに大混乱してしまうのではと思っています。
その辺(Mayaの基礎部分)をきちんと説明しつつ、基本的なスクリプトの書かれたガチ初心者向けの本があるといいのになぁと思います。

つまりは、
とりあえずMayaCompleteProgramming再販してくれ!!!
と思うわけなんですけどね。(わかりやすい本ってわけではないし、ふるい本ではあるけれども)
(ボンデジさん、よろしくお願いします)

個人的なこの本の読者設定は

1 ある程度Melを使用してスクリプトを書くことができる
2 しかし、チャンとしたツールとして開発はしたことがない
3 これからTAとして現場第一線で戦おうとしている人
4 ひととおり書けるようになった人が、改めて見返す用
5 近くに聞ける人がいて、ガチでツール開発する方向に行きたい人

かと思います。
逆に、全くスクリプト知識0のデザイナーが、ちょっと書けるようになろう という場合は
ツールの設定部分とHelpの読み方は活用できても、独学では本編の解説はけっこう敷居が高いかなぁと思います。

そんな感じで、参考になるか分からないですが私の読んだ感想でした。

スクリプト関係の本ってほんと難しいですね(´・ω・`)

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